2007年09月13日

UDF1.02 1-2 用語

幾つかの用語と訳語を説明します。ここだけ読んでも判らない場合が多いと思います。

1.ビットとバイト (bit&byte)
 一つのビットは 0 か 1 をとります。
 1 バイトは 8 ビットで、1 バイトがデータ表記の基本単位となります。
 要するに、よくあるコンピュータの考え方と同じです。

2.記述子 (descriptor)
 それぞれのバイトが意味を持った、連続したデータの固まり。
 C言語の構造体に相当しますが、変数の位置を変更したり隙間をあけたり、といったことをやってはいけません。コンパイラが勝手にやる場合があるので注意してください。先頭からの位置が重要なのです。

3.処理方法 (implementation)
 散々悩んだのですが、インプリメンテンションの訳語は、これで行きます。
 これ自体は記述のための共通形式という面が強く、変数 "Implementation Use" の使い方はお任せ、となっていたりするので困るのです。

4.名 (identifier, ID)
 "識別子" が正確な訳語です。
 名称を指す文字列以外に、数値などの付帯情報がつく場合もあります。

5.セクタ (物理セクタ) (sector)
 媒体上のデータにバイト単位でアドレスを割り振ってアクセスするには細かすぎるので、セクタというある程度まとまったデータ単位に区切ってそれにアドレスを割り振り、アクセスします。

6. (物理)セクタの大きさ、(物理)セクタサイズ (sector size)
 セクタの内、アドレスやエラー訂正コードなどを除いた、ユーザーが実際に使用できるデータ領域のバイト数です。

7.ボリューム (volume)
 順番に並べられたセクタの集合。
 例えば、DVD-ROM の片面、CD の 1 データトラックなどが 1 つのボリュームになります。

8.セクタ番号 (sector number)
 セクタ毎に割り振られたアドレス。
 ボリュームの先頭のセクタ番号は 0 で、1、2、…と続きます。

9.ボリュームセット (volume set)
 ボリュームの集合。
 UDF1.02 では、ジュークボックス内の全ての DVD をまとめて呼ぶ場合、といった程度の意味ですが、本来の ECMA167 では複数のボリュームをまとめて取り扱うための概念です。

10.ボリューム番号 (Volume Sequence Number)
 ボリュームセット内のボリュームには 1、2、3、…と番号がついています。

11.論理セクタ (logical sector)
 ボリュームの割り振りの単位。
 512 バイトの整数倍の大きさで、ボリューム内で大きさは全て同じです。各論理セクタの先頭は物理セクタの (ユーザーデータの) 先頭から始まり、論理セクタの長さ分続きます。1 つの物理セクタで足りなければ次の物理セクタへ続きます。次の論理セクタは、前の論理セクタが終わった物理セクタの次の物理セクタから始まります。物理セクタの余った箇所は 0 で埋められます。
 こう書くとややこしいですが、これは媒体内でセクタの大きさが異なっている場合に対応させるためです。UDF1.02 では、物理セクタと論理セクタの大きさとアドレスはそれぞれ同じです。

12.論理セクタ番号 (logical sector number) [LSN]
 論理セクタは、ボリュームの先頭から 0、1、2、と順番に番号を割り振ります。同じ番号に 2 つの論理セクタが対応したり、欠番があることはありません。
 なお、ボリュームは最小 256 論理セクタです。

13.パーティション (partition)
 ボリューム内の連続した論理セクタの集合。
 ボリュームセット内のパーティションには番号が割り振られており、0 〜 65535 の値をとります。

14.論理ボリューム
 一つ以上のパーティションの集合。
 ボリュームセットが持つある意味仮想的なボリュームです。
 ECMA167 では、パーティションは、別々のボリュームに属していてもかまいません。つまり、論理ボリュームは複数のディスクをあたかも一つのドライブとして見せかけるための仕掛けになります。また、ボリュームの中に複数の論理ボリュームがあってもかまいません。こちらは一枚のディスクを複数のドライブに分けるための仕掛けです。
 ただし DVD-ROM では、論理ボリューム、パーティション共に一つです。

15.論理ブロック (logical block)
 論理ボリューム、パーティションの割り振りの単位。
 512 バイトの整数倍の大きさで、パーティション内で大きさは全て同じです。各論理ブロックの先頭は論理セクタの先頭から始まり、論理ブロックの長さ分続きます。一つの論理セクタで足りなければ次の論理セクタへ続きます。次の論理ブロックは、前の論理ブロックが終わった論理セクタの次の論理セクタから始まります。論理セクタの余った部分は 0 で埋められます。
 DVD-ROM では、論理セクタと論理ブロックの大きさは同じです。

16.論理ブロック番号 (logical block number) [LBN]
 各論理ブロックには、パーティションの先頭から 0、1、2、…と番号が割り振られます。パーティションの先頭からの番号なので、セクタや論理セクタと大きさは同じ場合でも番号は異なります。サイズが同じなら間隔は同じです。
 パーティション内で同じ論理ブロック番号のありませんが、全てのパーティションの論理ブロック番号は 0 から始まりますので、(複数のパーティションをもつ) 論理ボリュームでは、論理ブロックのアドレスを、パーティション番号と論理ブロック番号の組で表します。

17.論理ブロックの数 (the size in logical blocks) [LBs]
 連続した論理ブロックの数。複数の論理ブロックをまとめて扱うときに使います。
 "論理ブロックの大きさ" だと1論理ブロックあたりのバイト数になってしまうし、"論理ブロック数" だと上の"論理ブロック番号"あるいは"論理ブロックアドレス"と間違えそうなので、"数"の前に"の"を入れます。

18.ファイルセット
 ファイルとディレクトリの集合。
 ディレクトリ階層の情報、個々のファイル本体とその情報、ディレクトリ階層上の位置などの全てのデータの集まりです。

19.場所 (extent)
 連続したデータの固まりの、先頭位置とその大きさ。
 単位はバイトだったりセクタ、論理セクタ、論理ブロックだったりします。
 正確な訳語は "範囲" です。
posted by 七癖 at 09:51| Comment(0) | TrackBack(1) | ファイルシステム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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